2022年10月6日に開催された衆議院本会議の代表質問にて、国民民主党の玉木 雄一郎議員と自由民主党の岸田 文雄 内閣総理大臣の国会答弁(円安・物価高対策)を要約してお届けします。
議論サマリー
玉木 雄一郎(国民民主党)
国の統計によれば、7月の実質賃金は4か月連続のマイナス。25年間、実質賃金が下がり続けているのは日本だけ。総理、なぜ日本では賃金が上がらないのか?どうやって上げるつもりなのか?
岸田 文雄(自由民主党)
玉木 雄一郎(国民民主党)
政府は、住民税非課税世帯への5万円給付を決定した。しかし、対象世帯の約8割は高齢者。物価高に苦しんでいるのは高齢者だけではない。国民1人当たり現金10万円を一律給付するインフレ手当こそ、今必要な経済対策ではないか?
岸田 文雄(自由民主党)
足下の物価高には、家計への影響が大きい低所得世帯向けの給付金を迅速に実施。子育て世帯への支援としては新たな交付金を創設した。総合経済対策としては、電力料金負担の増加を直接的に緩和する思い切った対策を含め、生活者・事業者への支援を強化する
玉木 雄一郎(国民民主党)
円安で苦しんでいる個人や事業者がいる一方、記録的な円安で国の特別会計は円建ての含み益が相当出ているはず。円安メリットを生かすなら、緊急経済対策の財源として「外為特会」の含み益を充ててはどうか?
岸田 文雄(自由民主党)
外為特会の評価損益は、令和4年3月末で1兆円。外貨資産は、外国為替相場の安定を目的に「将来の」為替介入等に備えて保有しているもの。財源確保のために外貨を円貨に替える為替介入は、国際的な合意において適当ではない
玉木 雄一郎(国民民主党)
我が国の継戦能力、有事の際に組織的な戦いを継続できる能力はどの程度あるのか?必要な防衛費の増額について、国民の理解を得るべきではないか?
岸田 文雄(自由民主党)
安全保障環境が厳しさを増す中、自衛隊の継戦能力、装備品の可動数は必ずしも十分ではない。十分な数量の弾薬確保や装備品の可動数の増加、自衛隊施設の抗堪性の向上といった取組みが重要。避難施設の民間シェルター設置も検討している
玉木 雄一郎(国民民主党)
子育て支援策の所得制限によって中間層の子育て世帯が取り残され、かえって少子化が加速している。総理は外国人留学生の受入れ支援を拡大するようだが、それなら日本人の学生をもっと助けてほしいという声がある。総理はどう答えるか?
岸田 文雄(自由民主党)
日本人学生の支援として、給付型奨学金や授業料減免の対象拡大、卒業後の所得に応じて奨学金を柔軟に返還できる仕組みを令和6年度に創設する。財源については、社会全体でどう負担していくか検討する必要がある
玉木 雄一郎(国民民主党)
宗教法人法81条に基づく旧統一教会の「解散命令」について。判例を踏まえて慎重に判断するとのことだったが、そもそも政府・行政庁は判断材料を持っているのか?質問や報告を旧統一教会に求めたりはしないのか?
岸田 文雄(自由民主党)
報告と質問に関する権限は、解散命令の事由等に該当する疑いのある場合に限り行使できる。必要があると認められる場合は、宗教法人法の趣旨を踏まえ厳正に対応する
映像ソース
衆議院本会議の代表質問(2022年10月6日)登壇者の紹介